「田中角栄」考

   



 公示直前の8月15日、突如、夫婦揃っての民主党入りを発表した田中真紀子( 65 )。 相変らずのお騒がせぶりだが、その背景にはのっぴきならない地元事情がある ……。
 民主党入党会見の4日前のこと。 真紀子氏の地元、新潟県長岡市の事務所に緊急招集された後援会 『まきこ会』 幹部達は、彼女の唐突な話に仰天した。
  「民主党に入ることにしたわ。 この前も一ちゃん( 小沢一郎 )から勧められたし、その際は是非夫婦でと言われちゃったのよ。 それで鳩山さんとも会ったら、入ってくれって言うのよ」
 真紀子は6年前、夫の直紀氏は昨年、共に古巣の自民党を離党。 彼女はすでに民主党との衆院院内会派に所属しており、民主党入りは時間の問題とも言われていた。 …が、 『まきこ会』 は元々父・角栄氏の遺産。 今も自民党員のまま彼女を支援する後援者も多く、
  「私らは“自民党”田中の支持者。 “無所属”田中までなら押せるが、“民主党”田中ではちょっと ……」
  「せめて選挙の後にしてはどうか」
 相次ぐ反対意見を前に、真紀子節が作裂した。
  「今動かなかったら、大臣になれないのよ。 それに今の民主党で大臣の経験があるのは、羽田さんとかを除けば私だけよ!」
 続けて、無所属という立場がいかに無力かを力説し、こう吼えたのである。
  「これまで私がやってきたのは、父・角栄の角福戦争だったの。 小泉や安倍、福田はみんなその相手よ。 今度の選挙はその最後の戦争。 その決着をつけるのに、民主から出て闘いたいの!」




 今の自民党総裁は麻生なのに、角福戦争を持ち出すトンチンカンぶりは相変らず。
 彼女の言い分では民主党から再三の誘いを受けての決意に聞こえるが、民主党関係者からはこんな話も。
  「前回の衆院選で党が彼女に推薦を打診したら断られたので、今回は特に何もしてなかったんです。 すると今月に入って真紀子が“どうして推薦しないのか”と迫ってきた。 それで慌てて推薦を決めたら、今度は入党したいと言い出した。 というのも、彼女の新潟5区は自民党候補がかなり追い上げており、今回ばかりは危ないと言われていましたから」
 さる 『まきこ会』 幹部もため息をついて言う。
  「昔は旧越山会や越後交通がガッチリ名簿を管理。 支持者を何度も回って票を固めたものですが、組織は高齢化が進み、人も減って到底ムリ。 後援者の新規開拓もほとんど進まず、名簿は古い支持者の身内ばかりです。 ご本人にも相当な危機感があるのでしょう」
 かつての田中王国ももはや崩壊寸前。 角栄も、草葉の陰で娘の行く末を案じているのでは。